3Cと4Pとは?事例も合わせて紹介【知ってるだけで武器になる!】
マーケティングを学ぶとよく聞く「3C」と「4P(マーケティングミックス)」。
聞いたことはあってもその意味や使い方がわからないという方も多いのではないでしょうか?
この記事では、「3C」と「4P」のそれぞれの意味と分析方法、事例をご紹介します。
これらを使えるようになると、以下のメリットがあります。
- 現状を分析することで、課題が見えてくる
- 他社との差別化を図ることができる
- 正しい戦略を立てることができる
知っているだけで周りと差がつく「3C」と「4P」。
それでは学んでいきましょう!
マーケティングの「3C」「4P」とは?
マーケティングの「3C」「4P」とは、それぞれマーケティングで活用するフレームワークのことです。
3Cは「マーケティング環境分析をする買い手目線のフレームワーク」であるのに対し、4Pは「どのように売るかの戦略を決める売り手目線のフレームワーク」です。
次章から、それぞれ詳しく説明していきます。
3C
3Cとは、「買い手視点」で分析する、マーケティング環境分析のフレームワークのことです。
1982年『The Mind of the Strategist』の著者であり、マッキンゼー・アンド・カンパニーの経営コンサルタントだった大前研一が提唱しました。
以下の3つの要素の頭文字から成る3C。その内容を見ていきましょう。
Customer(市場・顧客分析)
一つ目は、Customer(カスタマー/市場・顧客分析)。
主に、市場の視点と顧客の視点で現状を分析します。
- 市場規模、成長性
- 顧客はどんな人か(性別は?年齢層は?どんな購買行動をとる?)
- 顧客のニーズ(どんなものが欲しいか?どんな願いを叶えてほしいのか?)
アンケート調査や顧客リスト分析で得られる要素が多いので、まずは自社の顧客を知ることが負担なく始められるのでおすすめです。
Competitor(競合分析)
二つ目は、Competitor(コンペティター/競合分析)。
主に、競合他社の現状と競合製品について分析をします。
- 競合他社の現状(売上、市場シェア、成長性、戦略など)
- サプライチェーン(調達、製品開発、物流、販路など)
- 資本力(従業員一人・一店舗当たりの売上高など)
顧客層や商品の特徴が似ている競合他社や、新規参入についてもピックアップし、分析することが望ましいです。
※サプライチェーン…製品の原材料の調達から、製造、在庫管理、配送、販売、消費までの全体の一連の流れのこと
Company(自社分析)
三つ目は、Company(カンパニー/自社分析)。
市場・顧客分析と競合分析を踏まえて、自社のポジションを知りましょう。
- 自社の目指す理想像(理念とビジョン)
- 既存の商品・サービスの現状(売上、市場シェア、収益性など)
- 資本力・投資能力
- 獲得している販路(実店舗、小売店、通販サイトなど)
- 技術力
- 組織力、人的リソース など
分析方法
3Cを分析するにあたり、内部環境(内的要因)と外部環境(外的要因)をもとに強み・弱みを抽出する「SWOT分析(スウォット分析)」が有効です。
SWOT分析とは、内部・外部環境をStrength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの観点から分析するものです。
3C分析でも重宝できる分析手法ですので、実施にやってみましょう!
4P
4Pとは、「売り手視点」で分析するフレームワークのことを言います。
具体的に製品・商品をどのように売るかを決める「実行戦略」のことを言い、「マーケティングミックス」の代表例とされています。
1960年にアメリカのマーケティング学者、E.J.マッカーシーが提唱しました。
以下の4つの要素の頭文字から成る4P。その内容を見ていきましょう。
Product(製品・サービス)
一つ目は「Product(プロダクト/製品・サービス)」。「製品戦略」とも呼ばれます。
- 販売する商品・サービスは何か、製品のコンセプトは何か
- どんな機能を持っているか
- どんなニーズを満たすものか(=どんな価値があるか)
といった、4Pの中でも製品・サービスそのものに関わる内容を決めます。
また、その製品の生産技術・コンセプトに合ったパッケージなどもProductに含まれます。
ポイントは「顧客の望むニーズを満たしている」ことであり、製品そのものが持つ価値を魅力的なものにしていく必要があります。
Price(価格)
二つ目は、「Price(プライス/価格)」。「価格戦略」とも呼ばれます。
市場の相場や競合他社との価格差やコスト面から、どれくらいの価格で販売するのが適正かを分析し、決定します。
価格競争に対抗できるよう、ブランド価値や付加価値を加えて単価を上げ、競争が穏やかな分野で戦うことも手段の一つです。
Place(流通・販路)
三つ目は、「Place(プレイス/流通・販路)」。
製品・サービスをどこで販売するか、流通チャネルを決めます。
- 実店舗で直売するか
- 小売店に卸すか
- 地域は限定的か?全国的か?世界か?
- オンライン販売するか
オンライン化が加速している今日では、どこで販売すると顧客が手に入れやすいかを考える必要性があります。
※流通チャネル…商品が効率的かつ効果的に届く、顧客への最適な流通経路のこと。
Promotion(販促・広告)
四つ目は、「Promotion(プロモーション/販促・広告)」。
製品・サービスを売るために、どのように顧客と接点を持つかを決めることをいいます。
目的は、多くの人に知ってもらい(認知)、新規・既存問わず顧客買うきっかけにする(動機付け・リピーターにする)ことです。
例として、以下のようなものがあります。
- テレビ広告
インターネットが普及し、2019年にインターネット広告がテレビ広告の広告費を上回りました。
テレビ離れが進む今日、インターネットにも広告を出すことでテレビを観ない層を拾うことは重要になってきています。
テレビCMとネット広告を組み合わせて活用しよう!相乗効果を生むための4つのポイント/unique one - 新聞・雑誌への広告掲載
- 展示会
- 看板
- メルマガ
- クーポン・キャッシュバック・割引 など
InstagramやtwitterなどのSNSを利用したプレゼント企画もプロモーションに当てはまります。
分析方法
この4つのPは、単体で考えるのではなく、要素同志のつながりを考えることが大切です。
次章で紹介する「ヘルシア緑茶」の例では、Product(製品)の価値を、Price(価格)とPlace(流通・販路)で他社商品と差をつけ、差別化を図っています。
ポイントは、競合他社製品の4Pと比較したときに出てくる「自社製品の強みを活かし」、「弱い部分を強みで補う」ということです。
前章で紹介したSWOT分析と組み合わせて活用しましょう。
事例:ヘルシア緑茶
花王株式会社が2003年5月に販売開始した、ヘルシア緑茶。
内臓脂肪を減らすのを助けてくれるという価値を提供しているヘルシア緑茶ですが、どのようにしてこの価値を広めたのでしょうか。
4Pに当てはめて具体的に見ていきましょう。
ヘルシア緑茶の4P
- Product(製品)
体脂肪を燃焼させる効果がある「茶カテキン」が豊富に入っている。「特定保健用食品(トクホ)」の認可を厚生労働省から受け、信頼性・安全性を提供している。 - Price(価格)
他社製品より割高(350ml 160円(税別))
高級感があることで、より「効きそう!」という有効性を与えている。 - Place(流通)
多忙なビジネスマンでも毎日手にしやすいという理由で、あえてコンビニエンスストア限定販売商品に。
コンビニエンスストアの協力もあり、目立つスペースに陳列された。 - Promotion(販売促進)
店頭の陳列棚から手に取り認知したという人が6割。
テレビ広告を投入して認知を促したが、テレビ広告での認知は全体の3割だった。
広告とコンビニ店頭での販売にて相乗効果を生んだ。
シェア獲得のため価格競争に陥っていた飲料市場では、当時ブランド思考への転換期にありました。
その中で販売からわずか約10ヵ月で、ヘルシア緑茶はおよそ200億円の売上高を達成しました。
近年出てきた5つ目のPとは?
4Pに加えられた5つ目のPをご存知でしょうか?
5つ目のPは多数ありますが、ここでは2つをご紹介します。
People(ピープル/人々)
人々とは製造や販売に関わる人々、顧客などのステークホルダー(利害関係者)のことを指します。
3C分析の顧客・市場分析のみならず、マーケティング戦略立案時に顧客以外の関係者について見直すべきだと提唱されています。マーケティング戦略立案時に顧客以外の関係者について見直すべきだと提唱されています。
※ステークホルダー…組織が行う活動で影響を受ける利害関係者のこと。株主、経営者、従業員、顧客、取引先、金融機関、地域住民、行政機関など、すべての人が対象。
Popularity(ポピュラリティー/大衆性・人気)
多数の人々に受け入れてもらえる製品・サービスであるかどうかのことを指します。
ロングテール戦略(ニッチな分野の製品を多く揃えること)とは対照的ですが、潜在顧客の母数が異なるためヒットしたときの影響が大きく変わってきます。
また、必要とする人が多いということは、必要なタイミングがあるということなので、一人が生涯のうちに長くリピートする回数(ライフタイムバリュー(LTV))の増加にもつながります。
他にも、「Package(パッケージ/包装)」や「Process(プロセス/業務プロセス)」が5つ目のPとされる場合もあります。
まとめ:3Cも4Pも、現状把握と顧客ベースが必須
「3C」と「4P」について学んできました!
難しく感じるところもあったかもしれませんが、分析や戦略の決定には、「現状を知り」、「顧客ベースで考える」ということが共通してきます。
ビジネスは自分のためにするのではない、ということですね。
「3C」と「4P」についてまとめてみましょう。
- 3C
- Customer(市場・顧客分析)
- Competitor(競合分析)
- Company(自社分析)
- 4P(マーケティングミックス)
- Product(製品・サービス)
- Price(価格)
- Place(流通・販路)
- Promotion(販促・広告)
企画提案でも、営業でも、「根拠」は武器になります。
ぜひ、明日から試してみてくださいね!
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